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スペシャルメッセージ フロム「あうんの会『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』チーム」

『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』は三重県津市にある、津あけぼの座という、弦巻楽団が2016年から3年連続でお世話になった劇場のプロデュースユニット、「あうんの会」の第2回公演のために書き下ろし、上演されました。
2019年1月に行われた公演は「三重であんなにお客さんが笑うことないよ」と地元の有識者に評されるほど、好評を集めました。

今回その『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』札幌バージョンのために、初演に関わった「あうんの会」の3名様からスペシャルメッセージが届きました!
あうんの会バージョンに出演した俳優の坂口修一さん、小菅紘史さん、そしてプロデューサーの油田晃さんからです。
皆さん、ありがとうございますー!

坂口修一 俳優

「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」

札幌バージョンが上演されるんだって!?

く、悔しい!

まず僕が最初に思ったことは正直これです。

 

俺たちがあうんの会でやったやつだぜ!俺たちの作品だぜ!

と大人げなく叫びたい。

 

自分の出演した作品が他の俳優で上演されることがあまりなくて、慣れてなく、こういう時に生来の人間の小ささが出てしまいますね。お恥ずかしい。

 

というのも、僕は小劇場というジャンルで出演することが多く、小劇場では作品を再演するということが非常に少ないのです。

なので、初演で演じた役は僕だけのもの、というか、そもそも作品自体が再び日の目を見ることがとても少ないのです。

死後400年たった今も再演に再演を重ねているシェイクスピアさんとか、ビックリの世界です。

だから、今回の上演は、悔しい!けど、嬉しい!

「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」はめちゃくちゃ良く出来たウェルメイドな脚本です。

たくさんの人に見てもらいたい!

 

もちろん、あうんの会でも色んな地域で再演させてもらって、なんなら札幌へも乱入して、お客さんに両バージョン見比べてもらいたい!

 

今回の公演が評判になって、あうんの会の札幌公演に繋がるように期待しております!

小菅紘史 (第七劇場)・俳優

待つ男たちがいる。

深夜を過ぎてもベッドの中でうじうじと憂いている。

彼らはゴドーを待つわけでも、何か新しい時代を待つわけでもなく、

ただ自分たちが幸せになれる時を待っている。

幸せとはつかみとらなければならないものだろうか。

歯をくいしばり、前のめりになりながら、汗かき手をかざし求めるものだろうか。

そうでない時があってもいい。

目の前にころがってくるのをただ呆然と待つしかない時があってもいい。

退屈と焦りで自分がいやになるかもしれない。

でもそういう時の人間の顔は、愚かで滑稽で、とても愛しく思えるのだ。

そんな男たちがぼくはいつだって好きだし、見続けていたい。

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油田晃

特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ 代表理事

津あけぼの座 プログラムディレクター

弦巻楽団さんには、私どもの劇場・津あけぼの座で2016年から3年連続で上演を頂きました。

そこから「あうんの会」という、うちの劇場プロデュースによる2人芝居を弦巻さんに書き下ろして頂けないか、そして、三重県津市に2週間ほど滞在して製作して欲しいと図々しくお願いしまして、2019年1月に上演しましたのが、この「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」。

 

初稿が届きまして読んでみますと、舞台設定は一つの部屋にベッド二つ、そして出演するのはおっさん2人のいわゆるウェルメイドコメディ。こりゃまた、弦巻さん、追い込んだ作品を書いたものだなあと思いました。

だって、いつでも「面白くない」とお客様が言える要素があちこちに転がっている訳ですよ。

ウエルメイドコメディと言っておいて「面白くない」と言われる可能性がある、一部屋でベッド二つということは動きが相当制限されるから、その辺りの身体性から「面白くない」となる可能性がある、そして最大の問題、おっさん2人(「あうんの会」は坂口修一さんと小菅紘史さんという、40越えたおっさんと、40に近いおっさんの2人が出演でした)。おっさん2人がやりとりして、それが「面白くない」となれば、これはもう災害レベルの悲劇です。

二度とその人を劇場に足を向かわせないくらいの力は持ってると思います。

 

ただ、では、書き直しましょうとか、コンセプト変えましょうかというのは、プロデューサーである私には全くありませんでした。

「とにかく『面白い』芝居を創ってやろうじゃないか」と2週間、出演者・弦巻さん・スタッフが劇場に泊まり込んでガッツリ稽古。

だって、きちんと創れば面白い芝居になる作品ですから。だったら丁寧にきちんと創る、ただそれだけです。

 

弦巻楽団の強みは「面白い芝居をきちんと創るカンパニー」であること、弦巻さんは「面白いことが何かをきちんと分かっている方」、心配することはほとんどありませんでした。

 

おかげさまで上演大成功。好評の内に幕を閉じたことは言うまでもありません。

 

打ち上げで「弦巻楽団でも上演したい」と弦巻さんがおっしゃっていて、その時はお邪魔して拝見しますと申し上げていたのですが、今回、いよいよ弦巻楽団さんによる上演、しかも力ある俳優さん2人が挑むとのこと。

 

弦巻楽団「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」、作品の面白さは三重で保証済みですので、札幌の皆さんが今度はどんな風に楽しんでご覧になるか、想像するだけでワクワクしています。

男2人がアタフタして、泣いて、ケンカして、またアタフタします。是非、ご覧ください!

 

あ、弦巻さん、煙モウモウのジンギスカンの店、また連れてってください!!

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'Round About Midnight

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