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弦巻啓太

舞台に立つ、そこにいる。


弦巻楽団#28 1/2 リチャード三世 は26日に全6ステージを終演いたしました。たくさんの、今までにない多くのお客様が今回この『舞台に立つ』に足を運んでくれました。ありがとうございます。

反省もたくさん、今までに無いほどあります。それら全てを次の講座に繋げていきたいと思います。

前回も書いた通り、これまでの『ヘンリー六世』とも『コリオレイナス』とも違った難しさがあった作品でした。そこにどこまで迫れたかは、完全に、とまではいきませんでしたが、それでも手がかりは、尻尾は掴めたんじゃ無いかな、と思います。

参加者27名はこの取り組みの中で様々な新しいことにチャレンジし、失敗し、悔しい思いをしました。達成感を感じてる人間はいないかも知れません。(これは昔から自分の傾向としてあって、本公演に客演してくれる役者さん達にもあまり「達成感」を与えられるような作り方が出来ていません。ただ、大きな声ではあまり言えませんがそれで良いとも思っています。演じる側からしたら不安だとよく言われますが、そのままでいて欲しいのが正直なところです。そんな代表の劇団に所属する団員にも、講座を受講している講座生にも、大変な取り組みに参加してもらってるなあ、と感謝の気持ちがちょびっとあります。)

それで良いと思ってます。その悔しさや傷を成長に繋げて貰えるなら、代表として言うことはありません。

弦巻楽団の講座は初心者でも、経験が無くても、生活の全てを演劇に捧げるほどのモチベーションが無くても、参加できます。参加者を振るいにかけたい訳でもなければ、出来る人間だけで芝居を作りたい訳でも無いからです。

だからと言って、現状に満足するためにやる訳でも、思い出作りのためにやっている訳でもありません。

そのへんの塩梅が難しく、自分としては踏ん張りどころです。

全員、本当に頑張りました。一人ひとり。特に自分たちの声で作品を語り、宣伝に本気になってくれたことが嬉しかった。『リチャード三世』というテキストに力及ばずなところも(自分含め)ありましたが、弦巻楽団の芝居の作り方から外れること無くみな舞台に立ち続けました。

身震いするようなライヴな瞬間も確かにありました。

3学期はその瞬間を持続させられる体力と集団力を身につけて臨みたいと思います。

本当にありがとうございました。

さて、そんな本番二日目の24日、石狩地区の国語科の高校教諭による研究会に招かれ『表現すること』について話してきました。

自分に依頼してくれたのは高校演劇時代、シェイクスピアの『お気に召すまま』で一緒に舞台に立った若林くんでした。15年以上会ってなかったけれど、全く変わっていない。

50人以上の先生の前で話すのは呼び出しをくらった記憶を彷彿とさせ、妙なファイトが燃えました。みなさんエチュードや「紙風船」の一部を読んだり、楽しんでくれたようでした。

そこで話したのもこの「講座」にかける想いと同じです。

演劇は全てを見せてしまうし、その全てを肯定してもくれると思うのです。

それが感じられるような舞台づくりを続けていきたいと誓う、41歳の冬です。

5年前の講座に参加してくれた二人が再び。まめとすー。

みんなの前で演じてもらってます。

開成高校演劇部にいた若林くん!(演劇部名:ルテニウム)

差し入れでいただいたシェイクスピアという薔薇のお茶!

全27名。(プラス弦巻とまめ)

終わって妻とひっそりと打ち上げ。実は妻も全く同じ日程で本番に臨んでいました。


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