終わりました。
なんとか納めたと言って良いかもしれません。2016年、仕事や連絡事項を済ませて心静かに年越しを迎えようとしています。
12月のまとめ。
TGRの審査会に出席してきました。今年は弦巻楽団『裸足で散歩』は対象候補にならず。残念です。若い札幌の演劇人の台頭を感じました。
昨年に引き続き旭川で上川支部演劇部の高校生たちにワークショップ。今年は「演技」にポイントを置いてのWSと言うことで、2回に分けて10時間を越える集中的なWSを。全部で50人以上の高校生が参加してくれました。実は長い講師活動で初めて自作の『死にたいヤツら』をテキストとして使用してのWSになりました。最初の読みが進むごとに、驚き、笑ってくれる皆さんの反応が嬉しかった。少し自信がつきました。
17日18日は何度もお世話になっているダンスの渡部倫子先生の舞台『Table』にまたまた出演させていただきました。場所は昨年と同じ神楽坂セッションハウス。なんと光栄な…!
今回は語りのボリュームも3倍増。昨年は夏目漱石でしたが、今年はストリンドベリ、小熊秀雄、弦巻の創作テキストなど多種多様な言葉を語りました。
(こちらの舞台、2月に札幌で再演されます!弦巻は声のみでの出演です。)
東京で頑張る元生徒達や、函館でWSを受けてくれたメンバーが駆けつけてくれました。
マドモアゼル・シネマの皆さんと!
劇団円想者の平井君と。
前回共演した千夏ちゃんが来てくれました。
東京に帰る足をひょいっと伸ばしてアゴラ劇場へ。
今年東京公演のたびに駆けつけてくれた横山さん脚本のiaku『車窓から、世界の』を観劇しました。緻密な、それでいて人肌を感じさせるドラマをじっくりと堪能。
23日には『果実』『裸足で散歩』と立て続けに出演してくれた村上義典の結婚式へ。劇団員の相馬も同席。人生初・結婚式だったようでたいそう緊張してました。
隣はこの方…!
27日28日は演技講座2学期の発表会。昨年もたくさんのお客様が来てくれたのですが、今年は年末も迫る忙しい時期にもかかわらず70名を越すお客様が。
『秋の対話』『入れ札』『麵麭屋文六の思案』の3本立て3回公演。『秋の対話』が評判良く正直意外でした。28日の『入れ札』『麵麭屋文六の思案』はとても良い劇空間になりました。講座で伝えたい演劇としての醍醐味が詰まっていました。観客の皆さんとのディスカッションでは得難い指摘や意見も聞けて実りある時間にできました。
で、
そのまま28日弦巻楽団の大・忘年会でした。
20名を越す大所帯での忘年会になりました。なぜか昨年に続いてトランプ大会が…。
29日はダンスで出演した『Table』の台詞部分の収録へ。マイクに向かうのはいつも緊張します。
そして、本日31日です。
昨年に続いて札幌を離れて年を越そうとしています。
振り返ると、今年は人生で一番忙しい一年でした。
ちょっと人生観を変えるほど、と言っても過言じゃないくらいの忙しさ。
弦巻楽団として#23『ユー・キャント・ハリー・ラブ!』(1月、演劇シーズン2016冬参加作品)、#24『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』(3月東京・4月札幌)、#25『果実』(8月札幌・9月帯広)、#26『裸足で散歩』(11月)。その合間を縫うようにツアー公演『四月になれば彼女は彼は』(5月ソウル・三重・京都、6月東京・北九州)。演技講座の発表として3月『ヘンリー六世』、7月『葉桜』『命を弄ぶ男ふたり』、12月『秋の対話』『入れ札』『麵麭屋文六の思案』、それとは別に新人によるリーディング公演『子供のように話したい』(7月)。役者としての出演は2月の札幌座『亀、もしくは…』と12月の先述のダンス『Table』。
講師を務めるクラーク高校では9月に『交番へ行こう』、11月に『パレード旅団』の演出を。
審査員として夏には100時間を越す演劇を見続け、
劇団を一般社団法人にするために方々に駆け回り、書類を作成し、
秋には6年ぶりの引越しをし、
さらに長野の劇団銀杏座さんに新作を一本書き下ろしました。
『夢見るようなくちびるに』という作品です。
書いていてちょっと涙が出るなんて、初めての体験でした。
いろいろスケジュールの変更もあって夏~秋が本当に怒涛でした。
劇団として本公演が年5回というのも過去最高です。
ちなみに昨年大晦日のブログを見れば
↓
「師走です。しかも2015年もあと48時間を切りました。なんてこったい。いかがお過ごしでしょうか?弦巻はようやく、ほんの少し人心地ついております。トントン。
怒涛の、人生で一番過密スケジュールだったんじゃないかという半年を乗り越えました。社会人の方からしたら何をその程度で、と笑われそうですが。しかも、来年はもっと大きな何かが待ち構えているかもしれないのですが…。」
完全に予測が当たってます。
人生観の変わった弦巻は来年から少し違った活動をしていくことになると思います。
掘り下げる、積み上げる、ではなく幅を広げるような…。
そして来年の活動はもう始まっています。
まずはクラーク高校での『交番へ行こう』の再演、
そして2月は演劇シーズンで『君は素敵』を再演します。
先日の初顔あわせと稽古で、とても楽しくハッピーなフィーリングにあふれた舞台に出来そうな予感がしました。
3月には『舞台に立つ』という演技講座の総決算があります。今年度は深浦佑太を巻き込み『コリオレイナス』に挑みます。
あと6時間と少しで2016年も終わりです。
来年やりたいこと、来年以降やりつづけたいことが形になってきました。
来年のテーマは『声を上げること』です。
たくさんの若者に接していると、自分に何ができるのかいつも考えさせられます。
今感じてるのは「壁となって立ち塞がること」と「踏み台となって利用されること」です。そのくらいしか先に生きている人間に出来ることは無いんじゃないだろうかとふと思います。
だからこそ、声を上げていこうと考えています。
今年、実は目標を一つ掲げていました。
その一つが「本を読む」と言うものです。必要に迫られた本だけをなんとか隙間に読む程度な日々がここ数年だったので、積ん読状態の本も増えすぎたので「一年で100冊読もう!(雑誌、および雑誌に掲載されている戯曲は除く)」と決意したのですが、結局その数は35冊に止まりました。
くそ~。
ただしこれは法律関係の実用書、官能小説は除きます。まあカウントしても50冊には届かないですが。
しかし、読書の習慣が(少しでも)戻ってきて良かった点もあります。
3年前から模索している戯曲としてのあり方、自分にとってしっくりくる文法へのヒントが見つかりました。それは演劇と関係ない分野の本(内緒)だったのですが、自分の中のカタルシスへの違和感と、演劇に感じる根本的な力を明確に定義してくれるような内容でした。
『サウンズ・オブ・サイレンシーズ』の次の作品への指針を与えてくれました。同時に、勉強しないといけないことが沢山あることも理解しました。
でも気持ちとしては晴れやかです。
「こんなにあるのかよ~」とか「こんなことも知らなかったのか~」とか胸中に去来しますが、それでも、やるべき道が見つかる、と言うのは清々しいものです。
40になっても不惑とは程遠い毎日ですが、前はまだあるようです。
良いお年を。
2017年もよろしくお願いします。