自分の中のあの舞台へ向かっていた気持ちがようやく次に切り替わって来てるような気がします。
今日は日頃指導してるクラーク高校クリエイティブコースの舞台発表がありました。演目は『パレード旅団』。生徒1人1人、今までで一番の演技を見せてくれました。クラスとしても、今までで最も一丸となれた気がします。
次に繋げることと、何を置いていくかを選ぶ段階に来ている気がします。40歳と言うのはそう言う年齢なのかもしれません。
裸足で散歩の応援コメントを下さった大野あきひこさんが、メッセージをくれました。
千秋楽の終演後すぐに頂いたものです。本人の許可のもと、公開します。
弦巻様、
「裸足で散歩」お疲れさまでした、大変楽しませていただきました
(終演後は舞台の余韻を持って帰りたい方なので、
いつもキャストの方々がロビーに出てくる前にすぐに出るようにしています、
挨拶せずにすみません)。
知り尽くしているはずの作品ですが、
新作のようなフレッシュさで楽しめました。
主役の2人もとてもチャーミングだった。
コリーを演じた子はまだまだつたないけれど、それが新妻としてのつたなさともうまく重なって、コリーの可愛さやいじらしさをうまく表現していました。
またポールはセリフ術はもちろんですが、
彼のアメリカ人としてのボディランゲージが見事でした。違和感をまったく感じなかったので。
これは地味な要素ですが、今回の公演の成功要因の一つだったと思います。
ベラスコの斉藤さんは何度かお会いしたこともあり、配役を知った時は「札幌でベラスコはこの人しかいないだろう」と思う程はまり役でした。
そしてこの作品で一番難しい役と自分では思っているエセル。
ポールとベラスコはそれぞれ堅物、変人という核となる個性があり、
コリーも若さで突っ走ることができる。
でもエセルはただオロオロするだけでは個性にはならないし、
キャラクターとしても「つまらないお母さん」から「恋する大人の女」に
一番大きな変身をするわけですから。
何より日本での上演を考えた時、日本にはなかなかいない「かわいいおばちゃん」でなければならない。
誰ができるだろうかと思っていましたが、
小林なるみさん、見事でした!
そして配達人も、電話工事の人もいい仕事でした
(特に電話工事の方は芝居巧者ですねー)
贅沢を言わせていただければ、
コリーとエセルの2人の場面でもう少し母子の情を感じたかった、
そしてポールの怒りのボルテージにもう少し変化がほしかったと感じましたが、
(怒りの声が一定で最後の方は「聞き慣れて」しまったので)
これはマイナーなことです。
海外もの、コメディという二重の難しさに加え、リズム重視と思われる今回の翻訳の語順は、役者さんたち覚えるのが大変だったのではないでしょうか。
それを考えると本当に見事な舞台化だったと思います。
ぜひまたニール・サイモンを上演してください!
本当にお疲れさまでした。
大野
とてもありがたい言葉です。
大野さん、ありがとうございました。
続けます。再びニール・サイモンを。必ずや。
さて、
弦巻楽団は『演技講座』の二学期の発表公演が年末にあります。詳細は『コレカラ』の講座の項目をご覧下さい。
そして、来年からはいよいよ『舞台に立つ』が始動します。こちらは三たびシェイクスピアに挑みます。
裸足で散歩のポールを演じた村上義典とはこの演技講座の前身『ツルマキ・アーケストラ!!!』のさらに前身、弦巻楽団として初のワークショップからの企画公演で出会いました。7年前のことです。
そこから7年。毎年続けて来たこの演技講座でたくさんの表現者と出会いました。
始めるのは気まぐれに見えるらしいのですが(自分的には全くそんなことはない)、投げ出したことも半端に終わらせたこともないことだけは自信を持って言えます。
今年度もまた、素敵な表現者と出会えることを願ってます。
どしどしご参加下さい。
昨年度の『舞台に立つ』ヘンリー六世の稽古の様子。