8、だからわたしは「ワンダー☆ランド」が好きだ!
初演を観てくださったお客さまで、札幌演劇界で現在も活躍中の方々に、応援コメントをいただきました!
「ワンダー☆ランド」の初演観劇は18歳だった自分にとって衝撃だった。
高校演劇とは様々な意味で違う迫力を目前で見せつけられたからだ。
実は正直、あまりに違う演劇という体験の前にお話の詳細を覚えていない。
だが、今はなきアトリエインディゴという劇場の舞台上にこれだけたくさんの役者がひしめき合いそれぞれが個性としてぶつかり合い目の離すことの出来ない架空の現実が創られている、その様子を眼前で目撃した興奮はいまだに忘れることなく胸に残っている。
今も変わらず演劇を好きなのは、この体験があったからだと思っている。
もう一度、この作品に出会えて本当に嬉しい限り。
18歳の自分にもう一度戻って「ワンダー☆ランド」を楽しみたいと思います。
山﨑孝宏 俳優/即興組合所属
ずっと待っていました、再演を。
当時演劇を始めたばかりの大学生で、何を観たらいいのか、何が観たいのか…。
そんな中、先輩が所属していた、弦巻さんの脚本を表現する劇団に、そしてこの作品に出会いました。
既にお気に入りの劇団でしたが、衝撃が忘れられません。
とにかく熱量が凄くて、圧倒されました。
それまではどちらかというとしっとりした印象でした、弦巻さんの作品。
それが思いきりひっくり返されました。
迸る。
それを体感した初めての出来事で、弦巻さんという脚本家が生み出す世界がより楽しみになったことを覚えています。
実は具体的なお話は、衝撃が大き過ぎたのかよく覚えていません。(ごめんなさい…!ジャンピング土下座のインパクトのせいかしら!)
ただ…「すごくすごく好きだ!めちゃくちゃ面白かった!」と感じたことが忘れられず、また観たいという思いを十数年間燻らせていました。
今回もキャスティングも新たに、また思いきり何かをひっくり返してくださることと思います。
本当に待っていました。再演ありがとうございます。
皆さんも是非出会ってください、ワンダー☆ランドに。
後藤貴子 俳優/エンプロ所属
札幌で自分が観た芝居のベスト5に長いことずっと入れてた『ワンダー☆ランド』。
いわゆるプロデュースものとかユニットものが今ほど盛んじゃなかったあの頃、
あんなに激しい個性のキャストが入り乱れた作品は衝撃だった。
小ネタも満載だったが時代性と内輪ネタに陥らないバランス感が絶妙で。
RPGやらボブ・サップやらXトシやら小さい青島刑事やら。
それ以前から気になってた3ペェちゃんやロック君のファンになったし、三戸部の実年齢に驚愕したし、
それら超個性と対極の清らかさ(当時)を立川は醸しすぎてて逆に奥の黒さが怖くさえ思えたり。
とにかくオールスター感。
特にヤスは彼が所属してたトコとは全く違うキレを見せてて、めっちゃ驚いたことを憶えてる。
直後の数年は再演を熱望してたが、時を経て同じキャスト(しかもあの若さと熱量)での再演は望めないと思ったら、
逆に再演してほしくない作品の筆頭にもなった。
脳内美化もされているであろうあの名作。
超えられるんか。
新たな超個性に出会えるんか。
とりあえず唯一の再登板・3ペェちゃんが全く衰え知らずどころかさらに暴走破壊王だろうことは間違いないだろうが。
観ずには過ごせまい。くっそう。
この超繁忙期に。
石川亨信 俳優
《「ワンダー☆ランド」が(好きすぎて)(他の作品もとても良いのに)(私の中では)越えられない》
失礼ながらこう公言しておりました。弦巻さんご本人にも。
他にも好きな作品、印象的な作品は多々あるのに。なぜか。
ただ、今、思い返してみると、残っているのはシーンやセリフの断片であり、
どのシーンがどのように、ストーリー展開が、などの記憶は実は曖昧なのです。
でも好きすぎる。
なにがそんなに好きだったのか、今回じっくりと考えてみました。
約50役?ものすごい大人数の登場人物たち、普通の人はほとんどおらず、癖のあるヤツらがほとんどで、
しかもその全員が初めからクライマックス(!)な勢いで次から次へと迫ってくる。
なんなんだ、このひとたち。
と、距離をとって面白く観察していたつもりが、いつのまにかその勢いに呑まれ、取り込まれてしまったようなのです。
ラスト間近のあるシーンを観た時によぎったのは
「この人たちがみんな幸せになればいい」という思いでした。
いいヤツも嫌なヤツも、汚れた大人もピュアな少年も、みんなひっくるめて、
幸せであってほしい、と。幸せなままでいてほしい、と。
そうか、「ワンダー☆ランド」が好きすぎる、のは登場人物が皆、愛おしい人たちだったからだったか。
思い続けて十数年、彼らにまたお会いできるのが嬉しいです。
ちなみに好きだった台詞をひとつ。
「麺ガー!生麺ガーーー!!」
伊藤しょうこ 俳優/劇団怪獣無法地帯所属